事務局からのお知らせ No.5

　今回、ＮＰＯ法人再生医療推進センターは、ホームページの大幅な改定を行いました。できるだけ多くの患者さん、一般市民の方々や学生の皆さんがアクセスしやすいように配慮しました。また、再生医療に関する質疑応答コーナーであるＢＢＳのコーナーを、よりわかりやすい一般的な名称である、Ｑ＆Ａのコーナーに変更しました。患者さんやそのご家族からのお問い合わせを中心に、若い学生諸君からの質問も増えてまいりました。現在、週に６〜１０件の質問がありますが、質問件数は益々増えていく方向にありかなり忙しくなってきています。当ＮＰＯ法人としましては認知度が飛躍的に上昇し、嬉しい悲鳴をあげている現状ではありますが、逆に、質問に対していかに迅速に対応していくのかということが、新たに大きな課題になりつつあります。学会評議員や、会員の皆様方に従来にも増してご協力をお願いすることになるかと存じますが、その節には、どうぞよろしくお願い申し上げます。

　本年１１月には、当ＮＰＯ法人に対して、世界的規模の証券会社であるメリルリンチ（株）から“日本における１０年後の技術革新”というタイトルのセミナーへの出席依頼があり、 ＩＴの専門家、及び、バイオテクノロジーの専門家の先生との３名による討論を行ってきました。投資家の目から見ても、将来的な視点から、再生医療の実用化と普及に関しては非常に大きな興味を抱いているようです。特に、わが国が避けて通れない超高齢社会において果たす再生医療の役割の重要性については、参加者の大半の方々が、深い理解を示していました。再生医療が、一般社会からこういう形で取り上げられるのは、再生医療の将来を展望する上において、大いに意義深いことと考えられます。

　当ＮＰＯ法人の定期講演会の話に移ります。本年１１月２０日に福岡で、福岡ホスピスの会の方々のご協力をいただいて、第９回目の講演会を開催いたしました。ご自身が１型糖尿病でありながら、精力的に幅広い活動をしておられます南昌江先生に糖尿病の治療について、事務局の日裏先生に、糖尿病と再生医療について、それぞれ講演していただきましたが、初めての九州での講演会にもかかわらず、熱気溢れる活発な質疑応答が行われました。

　当ＮＰＯ法人の第１０回目の講演会は、平成１７年２月２３日（水）に京都で行います。演者は京都府立医科大学眼科の木下茂教授で、現在大きなトピックスになっています、口腔粘膜（幹細胞）を用いた角膜上皮シートの作成とその臨床応用に関する最新の知見を、患者さんや一般市民の方々にわかりやすく説明していただきます。第１１回目の講演会は、５月１４日（土）に神戸で、第１２回目は、６月１１日（土）に高知で開催することが決定しており、第１３回目は、７月に福岡で開催する予定になっています。来年６月の高知でのＮＰＯ講演会の準備のために、１１月に日裏事務局長と高知に行ってきました。高知には昭和４２年に、私立の中では日本で最初にできた理学療法士の養成学院（高知学園･高知リハビリテーション学院）があり、そこで学院長をしておられます中屋久長先生は、 日本理学療法士協会の会長を勤めておられます。現在、日本理学療法士協会には３万５千人の会員がいて、学術集会大会には１万人の出席者があるそうです。来年は５月に大阪で開催されますが、“再生”も重要なテーマとして取り上げられています。幸いにして、中屋先生の暖かいご理解を得ることができ、日本理学療法士協会に、当ＮＰＯ法人の特別会員として入会していただきました。リハビリテーションの施設としては、わが国でもベスト３に入ると評価の高い高知の近森病院を見学してきましたが、素晴らしい設備と治療体制に強い感銘を受けました。ちなみに、近森病院には理学療法士が１５０名いるそうです。来年６月の高知でのＮＰＯ講演会は、近森病院と合同で、かつ、高知県と日本理学療法士協会のバックアップを得て、行われることになりました。“運動器の再生医療”と、“パーキンソン氏病と再生医療”をテーマにして、意見交換会を行う予定です。来年５月の神戸でのＮＰＯ講演会は、神戸国際大学と合同で開催いたします。全国展開の一環として、高知と神戸はともに初めての開催になりますが、何とか成功させて、今後の各地域における患者さんや一般市民の方々との密接な連携活動への、大切な足場としていきたいと思います。

　現在、当ＮＰＯ法人活動の重要な目標の一つとして、認定ＮＰＯ法人の取得があります。

　認定を取得いたしますと、いろいろな点でメリットが増え、より幅広い活動とより精力的な全国展開が可能になります。

　一般会員へのご入会に関しまして、皆様方の暖かいご支援をお願いいたしますとともに、皆様方の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

（理事長　井上　一知）