再生医療相談室

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No.785 高次脳機能障害に対する再生医療の自費診療について

項 目

内 容

専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル高次脳機能障害に対する再生医療の自費診療について
質問内容

高次脳機能障害の後遺症として記憶障害があります。

自費診療による自己由来の間葉系幹細胞の投与もしくは、自費診療による他人の間葉系幹細胞の培養上清の投与を検討してます。

過去の回答で紹介されてましたこちらのサイト(>厚生労働省の再生医療等提供機関の情報について)では、再生医療治療を行っている病院を列挙してますが、サンバイオの再生医療とは何が違うのでしょうか?

サンバイオの薬を待つべきか、自費診療で幹細胞を投与するか迷ってます。

掲載日2023年04月05日
回 答

サンバイオは治験(薬として売り出すために必要な試験)をやっており、外傷性脳損傷の運動機能回復を狙ってPMADに申請していますが、高次脳機能障害としての記憶障害を治療できるまでには、原因疾患(これが合っていることが使えるかどうかの条件になります)と記憶障害に効くという治験の結果を待たなくてはいけないので(その状態で申請するかどうかは企業の判断になります)、かなりの時間がかかる見込みです。

また、自費による間葉系幹細胞の投与は(こちらも、何という疾患対して間葉系幹細胞を投与するかと言う文言が付いています)、原因疾患が特定されるため、原因疾患によっては受けられないことがあります(現在可能なのはパーキンソン病・アルツハイマー病・ALS・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症・COPDですが、脳梗塞・脳出血はありません)。それに引き換え他人の培養上清は、現在のところなんでも使っていただけるもの(適応を謳うと薬事法に違反しますが・・・)となっています。

従って、現時点では培養上清しかないことになりますが(当方には培養上清をお勧めする意図はありません)、これを投与して効果があるかどうかは状況によって異なりますので、担当する医師などによくご確認ください。