NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.486


専門分野: 骨・軟骨

Q: 軟骨組織再生治療用骨充填剤について

 お尋ねいたします。
高齢の母が、膝の軟骨がすり減り 動く度の痛みと共に徐々にO脚が酷くなってきております。
このまま酷くなっては 歩くこともできなくなりそうです。
なるべく体に負担の少ない治療法がないものかと 色々検索しておりましたら こちらへ辿り着きました。
また ネットで北海道大学の研究で ウサギによる実験で軟骨の自然再生が成功したとのこと。
2007年に特許出願されたようですが その後人への実用化に向けて 今現在どこまで進んでいるのか 色々探しましたが はっきり判りません。
治験などは もしあるとしてもまだまだ先の話でしょうか。
また この治療法が実現したとして もちろん保険適用になるかならないかの問題もあるとは思いますが 他の治療法と比べ費用コストなどはいかがなものでしょうか。
私も徐々に膝痛を覚える年齢となりました。
この軟骨組織治療用骨充填剤について 何か少しでもお判りの事がございましたら お教え願えますでしょうか。
宜しくお願い致します。

掲載日: 2012.5.26

A:

  「軟骨組織治療用骨充填剤」についてのご相談ですが、このような材料が適応となるような小範囲の軟骨損傷にたいしては、現在では、骨軟骨移植術とか自家培養軟骨移植というような方法が行われる場合が多いと思います。軟骨損傷部に人工物を補填するようなやり方を正式に臨床研究として行っている施設は未だ無いものと思われます。なお、このような治療は比較的若い年代の軟骨損傷を早期に治療する事で急速に進行するのを防止しようというのが治療目的と考えられております。逆に、ある程度高齢(現在のところ60〜65才程度が目処)になった方で高範囲の損傷があって症状がひどい場合は、人工関節置換術が適応になると思われます。人工関節は、関節面が摩耗したり、骨との接合が緩んだりすることでおのずから寿命がありますので、あまり若い人には勧められませんが、導入以来の年数が経過してかなり良好な長期成績も得られて来ていることや、より耐久性の高い材料も開発されて来ていることから、最近では膝関節だけでも年間7万件ほど行われており、さらに増加傾向にあるとされています。
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