NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.433


専門分野: 骨・軟骨

Q: 自家培養軟骨移植術

 はじめまして。率直にいますと私は変形性足関節症のものです。この疾患は軟骨がすり減ってなくなっていく病気だということで、手術についても固定術をしてしまうともう二度とスポーツができない体になるようです。そこで目をつけたのが自家培養軟骨移植術です。この言葉は最近聞いたのですがどの病院も膝に関してのようです。足関節について手術を行っている医療機関はないのでしょうか。実験でもいいです。
またもし現在は不可能なら何年くらい待てば実現するのでしょうか。よろしくお願いします。

掲載日: 2010.8.1

A:

 変形性足関節症の治療についてのご相談です。
培養自家軟骨での治療をご希望のようですが、その前に、本当にそのような治療の適応があるのかどうか(期待される効果と合併症の危険性などを勘案して、他の治療法に勝ると判断できるかどうか)が問題です。変形性膝関節症などのご相談に対してもお知らせしましたが、自家培養軟骨による治療は、軟骨の損傷が大きい場合には適応となりません。
変形性足関節症の手術による治療法としては、関節の機能を温存する方法として、靭帯の修復、関節鏡による治療、脛骨の骨切術、人工関節置換などが実際に行われており、これらがいずれも適応とならない場合に固定術が考慮されます。但し、実際にどのような治療を行うかは、患者さんの状態を十分に把握し、ご希望を考慮しながらよく相談して、納得が得られたものに決める必要があります。逆に、医者の側から言えば、患者さんのお好みで治療法を決められても、適応にならない治療法は実施できません。担当の医師あるいは信頼できる医療機関で、治療法の適応について良く評価していただくことをお勧めします。
足関節への自家培養軟骨の応用については、ご指摘のとおり、現在のところあまり行われていません。しかし、原理的に応用できないということではありませんので、自家培養軟骨の利用が容易になり、ちょうど良い適応となる患者さんがあれば、医者側も積極的に考慮することになると思います。それが何年後かは分かりませんが、保険適応など制度的な整備が進めば、案外早く実現するかもしれません。
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