NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.57


専門分野: 骨・軟骨

Q: 左下肢切断

 私は24歳の男です。昨年交通事故に遭い左下肢切断の障害を負いました。一度は接続手術をしたのですが、壊死してきたので切断ということになりました。そこでなんとかもう一度自分の足で歩きたいと思い、いろいろなサイトを見ましたが、足の再生はまだ無理かどうかよく分からないのです。現在の医療技術では肢体の再生などは難しいのでしょうか?
以前、TVで見たのですが、軟骨の再生手術はできるほど医学は発達しているということでした。しかし、骨の再生はできても神経や血管などの再生ができなければ自分の足では歩くことはできません。今現在は無理かもしれませんが、白血病のドナー登録が身近になったように、再生医学も当たり前になる日も来るのでしょうか?手術をするのにもお金もかかると思います、どのくらいになるのかも想像もつきません。
今、分かっている範囲でいいので、教えてください。また、そういう日が来たときに倫理的な問題などは何もないのでしょうか?

掲載日: 2008.11.24

A:

 現在、軟骨の再生は、患者さま自身から採取した軟骨細胞を用いる方法がとられています。具体的には、体重がかかる部分の軟骨の欠損が原因で歩行困難な患者さまの、あまり体重のかからない部分から、内視鏡を使って軟骨細胞をおよそ300mg採取します。これを細胞増殖の足場や細胞増殖因子などとともに培養し、それによってできた軟骨を欠損部に移植するわけです。
ご質問にように、切断肢のようなとても大きな欠損ですと、骨・軟骨・神経などの再生はまだまだのようです。
再生医学が当たり前になる日が来るのは間違いないと思いますが、安全性や倫理の問題が高いハードルになっているのは否めません。したがって、一般の方々のご理解が一番重要であると考えています。8月21日に京都で、骨・軟骨の再生医療に関する講演会があります。よろしければ、ぜひお越しください。
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