ホーム
再生医療相談室
元気の出る再生医療
再生医療トピックス
コラム鵜の目鷹の目
再生医療相談室 回答ページ No.668
前の回答を見る   次の回答を見る
項 目内 容
専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル再び脳幹
質問内容

私は12年8ヶ月前に脳幹出血で倒れ、以後左半身麻痺と歩行困難で苦しんでおります。治療できそうな薬が開発されておりますが、ほとんどが脳幹には無理だそうです。脳幹だけが取り残されているような。お願いしたいのは、慢性期にも脳なら場所を問わずどこでも効果を発揮する画期的な薬の登場です。点滴とか。もうすぐ13年です。脳幹でも治療は可能でしょうか。

掲載日2019年05月18日
回 答

脳幹には生命維持に不可欠な神経核や意識・覚醒に関連した部位(網様体)、感覚や運動に関連した神経路が含まれています。

慢性期の中枢性の(脳に問題がある)運動麻痺に対する治療としては、サンバイオ社のSB623という細胞製剤がありますが、この治療では定位脳手術(脳の所定の部位に針や電極を差し込む手術)によって細胞を注入します。脳幹には非常jに重要な神経核などが集まっていますので、これに針を差し込んで細胞を注入することは想定されていないものと考えられます。

一方、色々な神経難病などに対して、間葉系幹細胞などの細胞を末梢の静脈から投与(点滴)する方法が試みられ、一定の成果を挙げつつあります。ただし、今のところ、脳幹出血後の麻痺などに対する効果は未知数で、治療法としては確立していません(ほとんど試されていないものと思われます)。他の疾患でこのような治療法の有効性が確立してくれば、ご相談のような状況に対しても試みられるようになることが期待されます。

前の回答を見る   次の回答を見る