NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.500


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 脳機能再生について

 息子が脳症により知的と運動面に障害が残りました。
今の医学では治療法ないとのことですが、脳再生の研究は急速に進んでいると聞きました。
臍帯血や自家骨髄やIPS…研究に使ってもらえるなら、今よりも良くなるのが確実ならなんでもお願いしたいです。実際依頼したら研究に使ってもらえるものなんでしょうか?臍帯血研究は実際人で始まってるそうですが…。残念ながら自己臍帯血はないです。兄弟を作ってその臍帯血を使ってもらうことは近い将来可能なのでしょうか?
日本で無理なら海外でもどこでも行きます。
アドバイスお願いします。

掲載日: 2012.11.6

A:

  このご相談について、脳の再生医療を研究している先生に伺いました。
 全般的な研究段階としては、「知的障害や運動障害に対して、動物モデルを使った基礎研究は行われていますが、実際の臨床にはまだ遠いと思われます。しかし、薬による治療も含めて、この分野はこれから発展が期待されるところです。」ということでした。
 現状では臍帯血があっても、それを用いた治療法は確立していませんので、「兄弟を作って」という考えは止めて頂きたいと思います。また、幹細胞を用いる治療法ができた暁には、息子さん自身のiPS細胞を作って必要な細胞に分化させれば、必ずしも臍帯血は必要ありません。
 ESやiPS細胞から脳の細胞を分化誘導できるようになり、ヒトの脳細胞を作成して研究に用いることが可能になっています。これによって、脳の再生の研究が格段に進歩しつつあります。これからの研究成果に注目して頂きたいと思います。
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