NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.397


専門分野: 眼

Q: 強度近視による視野の欠損

 わたしは、強度近視により、視野欠損が進行しているものです。眼科で診療を受けた際、再生医療の可能性について質問をしたのですが、あなたが生きている間には間に合いませんと断言されてしまいました。現在わたしは50歳です。やはり今後二・三十年のうちに再生医療が実現する可能性が限りなくゼロに等しいのでしょうか?

掲載日: 2009.11.7

A:

 目の再生医療の可能性についてのご相談です。医師は、「あなたが生きている間には間に合いませんと断言」されたそうですが、これが正しいか、正しくないかをその結果で判断するとして、今の時点でその結果を予想してみます。平成18年の実績で、50歳男性の日本人の平均余命は31年です。従って、まずます30年の間に「再生医療」が実現するかどうかを予想することになります。目の再生医療のうち、角膜の再生医療はすでに行われていますので(さすがに、眼科医でこれをご存じない方はいらっしゃらないと思います)、医師が想定した再生医療はそれ以外のもの、おそらく強度近視による視野欠損に対する再生医療だったと思われます。近視については、これを再生医療に含めるかどうかは別として、レーシック手術や眼内レンズがすでに使われています。視野欠損は網膜の異常で、確かに網膜の再生医療は簡単ではありませんが、少しずつ研究が前進しています。30年後にこの研究がどこまで進んでいるかですが、30年前(私が医者になったころ)、白血病は「治らない病気」の筆頭でしたが、今は「治る病気」になっています。手術のやり方もずいぶん変わりました。そう考えると、網膜再生医療も実現できる可能性が高い、従って、医師が断言したことは正しくない、と予想します。ただ、未来のことは分かりません。今できる努力の結果が未来になると思いますので、ダメと決めつけないで、実現への努力を積み重ねたいと、私は思っております。研究者の努力だけではなく、それを見守る皆様のご支援も非常に重要ですので、この点も宜しくお願い致します。
現在、目の再生医療の最先端で努力しておられる先生方、お2人のホームページをご紹介しますので、一度ご覧になってください。
慶応大学の坪田一男先生: http://www.tsubota.ne.jp/
理研CDBの高橋政代先生: http://www.retinastem.jp/xoops/。
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