NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.394


専門分野: 眼

Q: 眼瞼下垂について

 私は先天性重度の眼瞼下垂です。
後天性の人は大体の人が軽度だから、手術をすれば通常の普通の人の瞼に戻るのですが、先天性の人の大体は重度で、瞼の筋肉が死んでいて、手術をしても、正面視は改善されても、合併症がおこります。(眼瞼後退、兎目などなど)
そこで質問なんですが、再生医療で筋肉の機能が回復すると聞きました。瞼の筋肉もなおりますか?またそうゆう研究はされていますか?

掲載日: 2009.11.7

A:

 筋肉の再生は、外傷や筋ジストロフィーの治療を想定して研究が進んでおります。筋肉が再生する能力を持っていることは確実で、その元になる細胞(筋衛生細胞)も確認されています(この件は日本筋ジストロフィー協会のHPにある解説が参考になると思います:http://www.jmda.or.jp/6/nonaka20050722.htm)。
さて、御相談の眼瞼下垂についてですが、現在の研究は、外傷や病気で萎縮した筋肉を再生して本来の運動機能を回復する、という方向で行われており、何も無いところに新しく筋肉を作るということは想定されていないと思われます。実際に、もしも皮下組織の中に筋肉組織が作れたとしても、この筋肉がどの方向に収縮するか、また、収縮する指令はどの神経から来てその指令は意識的(随意)に調節可能なのか、という問題は検討されていないと思われます。従って、どんな場所にでも希望する機能を有する筋肉を作ることができるようになるのは、かなり遠い未来の話です。ただし、痕跡的にでも本来の神経に支配された筋肉の組織が残っているのであれば、それを再生させる治療は将来的に可能になることが期待されます。
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