NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.348


専門分野: 心臓・血管

Q: 下肢末梢血管血流障害

 60歳女性。特に他に疾患はなし。2年前まで喫煙していました。2年前(H18年)に手指に冷感があり近所の総合病院の循環器内科にかかりました。その時には、血流を良くする薬でよくなりましたが、20年4月頃から足の血流が悪くなり間欠性破行になり今は5分も歩けず指先が真っ白になりました。同じ総合病院へ行きましたが血管を広げる薬と内服薬で治療するしかないと言われその通りにしてきました。下肢のMRIも行いましたが動脈の閉塞はなく末梢の血管なので術はないと診断されました。20.8.3現在は、足の指の壊死が進んでいるようで黒に近い紫色になっています。夜にはその痛みのために不眠となりました。ロキソニンもあまり効きません。また、8.1には右手の動きも悪くなり脳梗塞を疑い救急車で前述の総合病院へ行きました。右手は、指折り数えることができず箸を持てず小さいものを掴んだりする事ができません。CTの結果脳には異常なしでやはり血管の血流障害から来る右手の動きの悪さだろうということで処置はありませんでした。
そこでいろいろ調べ再生医療のことを知りましたが閉塞性動脈硬化症には有効と書いてありますが、末梢血管には有効ではないのでしょうか。東京に住んでいますが再生医療または、他の方法でも良いのでお勧めの病院はないでしょうか。わらをも掴む思いです。どうかよろしくお願いいたします。

掲載日: 2008.8.12

A:

 ご相談の症状や喫煙歴から、バージャー病(又はビュルガー病、日本語では閉塞性血栓(性)血管炎)ではないかと思われますが、正確な診断は診察を受けた医師に確認してください。なお、この病気については、難病情報センターのウェブサイト(http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/099.htm)などで解説されています。
バージャー病では主に手足の末梢の細い血管が狭窄・閉塞するので、カテーテルで血管を拡げたりバイパスを作るような手術では治療が難しく、血行を改善する薬による治療が中心になります。ただ、それでも十分な効果が得られない場合には、血管新生を目指した再生医療が適応となるものと考えられます(実際に適応となるかどうかは実施する医師と相談の上、決めていただく必要があります)。実際の治療法は施設によって多少異なりますが、骨髄や末梢血中の細胞や、血管新生を促進する成長因子を含む徐放製剤などを、血管ができて欲しい部位に注射する方法が一般的です。このような治療法を実施している施設は、関西医科大学、自治医科大学、久留米大学が最初でしたが、最近は全国的にかなり増えてきています。東京周辺では、日本医科大学付属病院、東京都老人医療センター、千葉大学医学部付属病院、神奈川県立循環器呼吸器病センターなどでこのような治療が受けられる可能性がありますので、担当の医師と相談してみてはいかがでしょうか。
NPO会員様募集中
再生医療相談室トップに戻ります
再生医療推進センターは再生医学、再生医療の実用化を通して社会への貢献を目指す非営利活動法人です。
Copyright (C) NPO法人再生医療推進センター All rights reserved.