NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.3


専門分野: 腎臓

Q: 腎性尿崩症について

 もうすぐ2歳になる娘のことですが、腎性尿崩症ではないかと言われています。付加試験と遺伝子診断はまだ受けていないので、確定診断ではないのですが、血液検査と尿検査と症状からみて、間違いないだろうとのことです。医師からは、完治しないので一生付き合っていく病気だと聞いています。こんなに若くして持病を持つことになり、薬の副作用や合併症など心配でなりません。今後、再生医療の研究が進み、治療法のひとつとして実用化されれば、この病気は治ると見込みがあるのでしょうか。是非、ご回答下さい。よろしくお願いします。

掲載日: 2006.8.30

A:

 腎性尿崩症は、担当医からお聞きになっていると思いますが、抗利尿ホルモン(別名バソプレッシン。脳の視床下部で賛成されるホルモン。腎臓に働き掛けて水分を尿中に排出するかわりに血中への再吸収を刺激して尿を濃縮する。)が作用する腎臓の尿細管(腎臓の水分を排出または再吸収する部分)の欠陥によって起こります。
すなわち、この病気の人の尿細管には、抗利尿ホルモンの信号を細胞内に伝える受容体レセプターが欠けているのです。
したがって、理論的に抗利尿ホルモンが正常に機能する尿細管が新たに再生すれば治ります。
現在、尿細管を量的・機能的に補充や拡大する目的で、腎幹細胞の移植、腎幹細胞を活性化するための増殖因子の導入、胚性幹細胞の移植などの基礎研究もおこなわれていますが、当方が調べえた範囲では、臨床応用はまだおこなわれていないようです。
しかし、現在の基礎研究が臨床応用されるようでしたら、再生医療のよい適応になると個人的には思いますので、注目してみます。
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