再生医療相談室


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掲載日2008/2/29 分類:脳・神経・脊髄
Q :高次脳機能障害の治療 (ID=20071113092215716)
[内容]旦那が去年、事故で脳を損傷し高次脳機能障害になりました。
以前とは性格も変わり、運動機能もいまいちで走ったり、バランスをとる事ができません。
この前テレビで骨髄幹細胞移植の脳梗塞の治療を見て、高次脳機能障害にも有効なのではないかと思いました。
正直、この障害には治療法がなくて途方にくれています。

質問項目タイトル 高次脳機能障害の治療
質問項目 (内容) テレビで骨髄幹細胞移植の脳梗塞の治療を見て、高次脳機能障害にも有効なのではないかと思い質問しました。


A:回答項目 (内容)  高次脳機能障害は、高次脳機能を司る脳細胞が損傷を受けた結果起こる病態で、「機能障害(働きが損なわれること)」とはいっても、細胞のレベルでは脳梗塞と同様に神経細胞の細胞死が原因です。その意味ではご質問のように脳梗塞の治療法が応用できる可能性はあると思います。但し、今までの検討によれば、骨髄幹細胞による治療が有効なのは脳梗塞を発症して比較的早い時期に限られており、発症後何ヶ月も経過してしまうと、この治療法の有効性は低くなってしまうようです。骨髄幹細胞が有効に作用する機序としては、この細胞自体が神経細胞へ分化する可能性が無い訳ではないとしても、むしろ、血管新生作用などによって梗塞部位の血流を早期に回復させることで、梗塞によって本当に死んでしまった部位の周辺にある死にかかっている(機能が低下してそのままでは早晩死んでしまうがまだ生きている)脳細胞を助けて生き延びさせることで被害を最小限に食い止めるということが有力視されています。脳梗塞の慢性期のように神経細胞が脱落してしまった状態に対する再生医療の研究も行われていますが、今のところ臨床応用に結びつくような成果は得られていないと思います。  一方、急性期の脊髄損傷を骨髄幹細胞で治療する治験が始まっています。このような治療の有効性が明らかになれば、外傷性の脳挫傷のような病態の急性期にも応用されるようになる可能性があるのではないかと期待されます。  中枢神経の慢性的な細胞障害に対する再生医療は、パーキンソン病など一部の疾患を除いては未だ臨床応用できるレベルには至っておりません。一方で、リハビリテーションは残った細胞の働きを強化することで症状を緩和することが期待され、最近では、色々と新しい方法が開発されているようです。高次脳機能障害のリハビリテーションに積極的に取り組んでおられる施設で相談されることが有益であろうと思われます。  なお、関連するQ&Aとして、文番号084, 263, 266, 287などが参考になるかも知れません。


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